契約が終われば安心だと思っていました。
家に帰り、テーブルの上に契約書を置きました。
その時は「無事に終わってよかった。」と思っていたのです。
でも、時間が経ってもう一度読み返してみると、契約の日には気づかなかったことが少しずつ見えてきました。
第4話 家に帰って初めて気づいたこと。
夕食を終えたあと、私は契約書をもう一度開きました。
妻も隣に座り、一緒に資料を見始めます。
「今日はいろいろ説明していただいたね。」
妻がそう言うと、私はうなずきました。
「でも、正直なところ、その場では全部理解できた自信がないな。」
契約書を読み返すと、見学の日には意識していなかった言葉が目に入ります。
供養。
法要。
宗教行事。
契約の日には説明を受けたはずなのに、落ち着いて読むと改めて気になることが増えてきました。
私はパソコンを開き、「樹木葬 宗教不問」と検索してみました。
ホームページには「宗教不問」「永代供養」「管理費不要」など、安心できる言葉が並んでいます。
AIにも聞いてみました。
すると、一般的な説明はたくさん出てきます。
でも、私たちが契約の日に聞いた内容と、まったく同じではありませんでした。
私は思わずつぶやきました。
「結局、自分たちの場合はどうなんだろう。」
妻も静かに言いました。
「ネットには一般的なことしか書いてないね。」
その時、私たちはようやく気づきました。
ネットで調べても、AIに聞いても、
自分たちが契約した内容は、自分たちで確認するしかない。
ということに。
私は契約の日を思い出しました。
「ご不明な点はございますか?」
ご住職は確かにそう聞いてくださいました。
でも、私は
「大丈夫です。」
と答えてしまった。
本当は、大丈夫ではなかったのに。
妻が静かに笑いました。
「あなたらしいね。」
私も苦笑いしました。
「あの日は、分かったつもりになっていたんだな。」
その夜、私たちは一つだけ約束しました。
「もし知り合いがお墓を探すことがあったら、
『どんな小さなことでも質問した方がいいよ。』
そう伝えよう。」
編集部より
契約が終わってから契約書を読み返し、「あの時もっと聞いておけばよかった」と感じる方は少なくありません。
インターネットやAIは一般的な情報を調べるには便利ですが、契約内容や施設ごとの運営方針までは判断できません。
だからこそ、契約前に
「私たちの場合はどうなりますか?」
と具体的に確認することが、後悔しないお墓選びにつながります。
契約前に確認したいこと
- 一般的な説明ではなく、自分たちの場合を確認しましたか?
- 契約後に改めて説明を受ける内容はありませんか?
- 契約書を持ち帰って確認できますか?
- 家族全員が内容を理解していますか?
- 分からないことを「そのまま」にしていませんか?
今回学んだこと
ネットにも、パンフレットにも、多くの情報があります。
でも、一番大切なのは、
「私たちの場合はどうですか?」
と確認することでした。
その一言があれば、私たちの不安はもっと小さかったかもしれません。
次回予告
もし、あの日に戻れるなら。
私たちは、どんな質問をしたのでしょうか。
そして、お墓選びで本当に大切だったこととは。
あなたなら
どうしますか?
お墓選びは、一度契約すると簡単にはやり直せません。
だからこそ、
「こんなこと聞いてもいいのかな。」
と思うことほど、遠慮せずに聞いてみてください。
その一つの質問が、将来の安心につながるかもしれません。