【樹木葬で後悔した体験談】契約の日に初めて知ったこと
「樹木葬なら安心ですよ。」
その言葉を信じて、私たち夫婦は見学へ行きました。
営業さんはとても親切で、「ここなら安心できそうだね。」と、夫婦で笑顔になったことを今でも覚えています。
ところが、契約の日。
私たちは思ってもいなかった現実を知ることになります。
これは、樹木葬をご検討される方から実際によく寄せられるご相談をもとに、個人や施設が特定されないよう再構成したストーリーです。
第1話 営業さんは親切でした。でも契約の日、空気が変わりました。
「あなた、子どもたちに迷惑はかけたくないよね。」
夕食のあと、妻がテレビを見ながらそう言いました。
最近は終活の特集を目にすることが増え、私たちも自然とお墓の話をするようになっていました。
「樹木葬なら、後継ぎもいらないし、管理費もかからないらしいよ。」
私は新聞で読んだ記事を思い出しながら答えました。
それから数日後、近くの樹木葬を見学することにしました。
案内してくれた営業さんは、とても親切でした。
「宗教は問いません。」
「永代供養ですので、お子様に負担はかかりません。」
「追加の管理費もありません。」
一つひとつ丁寧に説明してくださり、私たちはすっかり安心していました。
帰り道、妻は嬉しそうに言いました。
「ここなら安心して眠れそうね。」
私も同じ気持ちでした。
そして数週間後、契約の日を迎えます。
ところが、その日は見学の日とは違う雰囲気でした。
営業さんの姿はなく、お寺の方が契約を担当されました。
契約書を前に説明が始まります。
「戒名についてですが……」
「法要については……」
「こちらはお気持ちとして……」
聞き慣れない言葉が次々と出てきます。
私は頭の中が真っ白になりました。
(あれ……こんな話、聞いていただろうか。)
妻も私の顔を見ています。
でも、その場の空気はすでに契約が進んでいました。
「今さら質問してもいいのかな。」
「ここで『やっぱりやめます』なんて言えないよな……。」
そんな気持ちになってしまい、結局そのまま契約を終えました。
帰りの車の中。
妻が小さな声で言いました。
「あなた……全部理解できた?」
私は少し考えてから答えました。
「いや……正直、よく分からなかった。」
車の中は、しばらく静かなままでした。
編集部より
樹木葬には、寺院が運営するもの、公園型霊園が運営するものなど、さまざまな形があります。
そのため、費用の考え方や供養の方法、法要や戒名の取り扱いも施設によって異なります。
大切なのは、「樹木葬だから全部同じ」と思わず、契約前に内容をしっかり確認することです。
特に、その場の雰囲気で質問しづらくなることは珍しくありません。
だからこそ、「一度持ち帰って家族と相談します」と伝えることも、大切な選択肢の一つです。
契約前に確認したいこと
- 契約後に追加で必要になる費用はありますか?
- 戒名や法要は必須ですか?
- 「宗教不問」とは、具体的にどういう意味ですか?
- 年会費や寄付、護持費などはありますか?
- 契約書は持ち帰って検討できますか?
今回学んだこと
- 私たちが後悔したのは、お寺の方や営業さんではありません。
- 「分からないまま、その場の空気に流されてしまった自分たち」でした。
- 契約は一生に何度も経験するものではありません。
- だからこそ、遠慮せず質問し、納得してから決めることが大切なのだと、私たちは学びました。
次回予告
「今さら断れない……。」
契約書を前に、私たちが何も言えなくなってしまった理由とは。
あなたなら
どうしますか?
もしあなたが、この夫婦と同じ立場だったら、その場で質問できたでしょうか。
お墓選びは、ご自身やご家族にとって大切な決断です。
ぜひ一度、ご家族とも「契約前に何を確認するか」を話し合ってみてください。