「まだ先のこと」と思っていました。
「ねえ、お墓のこと、一度考えてみない?」
ある日の夕食後、妻が何気なく言った一言でした。
まだ元気だし、そんなに急ぐ話ではない。
そう思っていた私でしたが、その日をきっかけに、私たち夫婦のお墓探しが始まりました。
※この物語は、樹木葬をご検討される方から実際によく寄せられるご相談をもとに、個人や施設が特定されないよう再構成したストーリーです。
第1話 「子どもに迷惑をかけたくない。」その一言が、私たちの終活の始まりでした。
私は72歳、妻は69歳。
結婚して45年になります。
子どもは二人。
長男は県外で暮らし、長女も家庭を持っています。
お正月やお盆には帰ってきてくれますが、普段はそれぞれ忙しく暮らしています。
その日も、いつものように夕食を食べながらテレビを見ていました。
ちょうど終活の特集が流れていました。
「最近は樹木葬を選ぶ人が増えているそうです。」
そんなナレーションが聞こえてきます。
妻が箸を置いて私に言いました。
「私たちも、子どもたちに迷惑をかけたくないよね。」
その言葉に、私は何も言えませんでした。
実は私も、同じことを考えていたからです。
私が子どもの頃、お墓参りは当たり前の行事でした。
父も母も、「先祖を大切にすること」が当たり前の時代でした。
でも、今は違います。
子どもたちには子どもたちの生活があります。
遠くに住んでいる人もいます。
「自分たちのお墓のために、子どもたちの負担にはなりたくない。」
それが、私たち夫婦の共通した思いでした。
数日後、本屋で終活の本を手に取りました。
そこには「樹木葬」という言葉が何度も出てきます。
「後継ぎがいなくても安心。」
「永代供養だから管理の負担が少ない。」
「自然の中で眠れる新しいお墓。」
読めば読むほど、
「これなら私たちに合っているかもしれない。」
そんな気持ちになりました。
家に帰って、インターネットでも調べてみました。
写真はどこもきれいで、口コミも悪くありません。
「ここなら安心できそうね。」
妻が画面を見ながら笑いました。
私は少し考えてから言いました。
「写真や口コミだけじゃ分からないこともあるだろう。
一度、実際に見に行ってみようか。」
妻はうれしそうにうなずきました。
「うん。見てから決めよう。」
その日、私たちは見学の予約を入れました。
この時はまだ、私たちは何も知りませんでした。
本当に大切なのは、お墓を見ることではなく、
「契約する前に何を確認するか」だということを。
編集部より
近年、「子どもに迷惑をかけたくない」という理由から、樹木葬を検討される方が増えています。
一方で、樹木葬にはさまざまな種類があり、供養の方法や契約内容も施設によって異なります。
ホームページやパンフレットだけで判断するのではなく、実際に見学し、気になることを質問することが、後悔しないお墓選びへの第一歩です。
契約前に確認したいこと
- 見学へ行く前に考えておきたいこと
- なぜ樹木葬を選びたいのか、夫婦で話し合いましたか?
- お墓に求めることを整理していますか?
- 子どもやご家族の考えも聞いてみましたか?
- 気になることをメモして見学に行く準備はできていますか?
今回学んだこと
私たちは、「樹木葬を探していた」のではありません。
子どもたちに迷惑をかけず、安心して眠れる場所を探していました。
その答えを求めて、私たちの見学が始まります。
次回予告
見学当日。
担当してくださった営業さんは、とても親切な方でした。
「ここなら安心ですね。」
私たちがそう思った理由とは――。
あなたなら
どうしますか?
お墓選びは、一生に何度も経験するものではありません。
だからこそ、「分からないことが分からない」という方も少なくありません。
もし、あなたが見学へ行くとしたら、最初にどんな質問をしてみたいですか?